FX(外国為替)の他にも、同様の金融市場と言えば「株式相場」がありますよね。
どちらも商品んの種類や取引手法をはじめとする情報も世の中に多く出回っています。
前回記事にて、「年収1億円越えの職業は【株・為替トレーダー】が大半だ」というお話もさせていただきました。
「だったら株トレーダーでもいいじゃん」と思われる方もいるかと思います。
確かに、株式であれば配当金を受け取ることもできますし、会社が倒産等しない限りは資産価値も担保されます。
会社によっては優待品を得ることもできますし、優待生活の桐谷さんなんかも有名ですよね。
現物での取引を行う分にはとても良いかもしれませんが、FXには株にはない魅力が多数あります。
ココでは、「FX」と「株」との違いについて見ていこうと思います。
この記事を読むとわかる事
- 「FX」と「株」の違いは何か
- 「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の違いは何か
投資対象が違う
そもそも「FX」と「株」では投資を行う対象の商品に違いがあります。
「FX」は「通貨」が対象
FXは世界各国の中央銀行が発行している『通貨』が投資の対象となります。
円や米ドル、ユーロやポンド等、世界中の通貨が投資の対象です。(国際通貨約180種類)
FXではドル/円などの『通貨ペア』と呼ばれる異なる2つの通貨の組み合わせ単位で投資を行います。
また、投資可能な通貨や通貨ペアの数はFX会社によって異なるため、取引したい通貨が決まっているのであれば事前にFX会社の取り扱い通貨を確認する必要があります。
「株」は「企業の株式」が対象
一方で「株」の場合には、証券会社に上場している企業の株式が投資の対象になります。
国内の証券会社に上場している企業数は約3800社となりますが、世界規模で見ると数万単位の企業が上場しており、その中から投資に適した企業の銘柄を探し出し、そこに投資を行っていくという形になります。
ざっくりと企業数を出してみると下記の通りになります。
国名 | 上場会社数 |
日本 | 約3800社 |
アメリカ | 約4000社 |
インド | 約5100社 |
中国 | 約2500社 |
(2021/03/11現在)
値動きが違う
「FX」と「株」の違いの特徴の中で、「利益や損失」に直結する『値動き』にも大きな違いがあります。
「FX」の値動き
FXの場合、原則的には値幅の制限はありません。
これがどういうことかと言うと、「どこまでも上昇し、どこまでも下落する」という事です。
とはいえ、1日1%前後の値動きにとどまる事もありますし、何か大きなビッグイベントがあったとしてもその動きは3-4%程度にとどまります。年間でもおよそ30%程が限界の値幅になってきます。(勿論それ以上になることもあります。)
通貨の上下動に限界点がある理由としては、「通貨」はその国の経済状況を表していることもあり、あまりにも大きな動きには各国の中央銀行や政府が介入を行って自国通貨を安定させようと動くからです。
その他にも、多種多様な目的を持った取引参加者が大勢いるため、逆に理性的な値動きにとどまりやすくなります。
(そのためテクニカル分析というチャートを使った分析方法がより当てはまる値動きになりやすく、今後「上がるのか」「下がるのか」を予測しやすいという事です。)
「株」の値動き
一方で、株には値動きには値幅制限があります。
しかし、「FX」と比べてもはるかに大きな値幅になる事も特徴です。
テンバガーと言われる株価が1年で10倍以上となる銘柄も多く存在し、1年で100倍にもなる銘柄も存在しました。
ただし、投資した会社が倒産した場合などは株価が0円となるリスクを孕んでいます。
(近年のリーマンショックや昨今のコロナウイルスによる事業業績の悪化などが発生すると、リスクがより顕著になります)
これらの様に、「株」は「FX」に比べても値幅が大きく、それ故に損失発生のスピードが速いという点についても留意が必要です。
取引可能な時間が違う
「FX」の取引時間
FXは平日24時間取引を行う事が出来ます。
またFXは日本の祝日は関係ありませんので、スマホやパソコンがあれば、土日以外は「いつでもどこでも」
生活スタイルに左右されることなく相場に参加することが可能です。
24時間いつでも取引できるというのは、FXの中でも大きな魅力の一つになります。
サラリーマンでも主婦の方でも、時間と場所に縛られることなく自由に取引を行うことが出来ます。
「株」の取引時間
株の取引時間は下記の通り、平日のみ午前と午後に分かれて取引が終わります。
株の取引時間
FXと比べても制約が大きい事は明らかですね、
ただし、専業で取引を行う方などには『その時間だけに集中すればよい』という事になりますので、制約があるからこその利点と言うのも存在します。
とはいえ、この時間内での取引と考える場合には、サラリーマンがしっかりと腰を据えて取り組むという事は難しい事もわかりますね。
インカムゲインが違う
そもそも「インカムゲインが違う」と言われても「インカムゲインって何?」と言う方の為にまずは簡単なお話です。
「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」
収入の種類には、主に2種類が存在します。
それが「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」になります。
主な収入の種類
- インカムゲイン:資産保有益
- キャピタルゲイン:売買益
イメージは上記の表になります。もう少し詳しく図解すると次の通りです。
インカムゲイン
インカムゲインとは、資産を保有することで、安定的に定期的に得られる利益。
代表的なものは、預貯金、債券利子、株式配当、家賃収益などです。
キャピタルゲイン
資産の売買によってその売却益を利益として受け取る方法。
代表的なものは、株式やFX、不動産の売却益です。
これで違いについてが何となくでも理解が出来たかと思います。
FXや株の取引きスタイルがデイトレード等、その日に手仕舞いをするような方はキャピタルゲインが主になりますが、FXであっても株であっても保有していることによってインカムゲインが発生することがあります。
引き続き「FX」と「株」の違いを見ていきましょう。
「FX」のインカムゲイン
FXのインカムゲインは「スワップポイント」になります。
スワップポイントとは『金利差調整分』と呼ばれるもので、
低金利の国の通貨を売って、高金利の国の通貨を買うと、「スワップポイント」と呼ばれる収益が「ポジションを決済するまで毎日受け取れる。」と言うものです。
これは2国間の金利差を利用することによって得られる利益になりますが、逆を言えば、高金利のくにの通貨を売って、低金利のくにの通貨を買って保有している場合には、その金利差分のスワップポイントの支払いが発生することになります。
受け取れるスワップポイントはFX会社によっても異なるので、スワップポイントを受け取れるように取引をしていきたい方は、しっかりとFX会社のスワップポイントを調べるようにしてください。
スワップポイントについては前回記事にも書いてますのでご参照くださいませ。
スワップポイント別の会社比較についても今後記事にしていこうと思います。
「株」のインカムゲイン
株のインカムゲインはまさしく「配当金」になります。
企業にもよりますが、年に1-2回出してくれるところが多いですね。
この配当金は株式を保有している株主に対して、事業利益の一部を分配する仕組みになっています。
逆に企業収益が落ち込んでしまった場合などには、無配当となるケースが多いです。
昨今はリーマンショックやコロナ等により減収となり赤字決算の会社も多くなっています。
その年は無配当になるケースも多いですね。
配当金は当然のことながら企業ごとに違いがあります。
毎日頂けるわけではありませんが、年に1-2回まとまって入ってくるのも魅力の一つでしょうか。
レバレッジが違う
レバレッジって何?と言う方は、前回記事をご参照ください。
ざっくりと説明をすると、「投資を行う元手(証拠金)の何倍の金額まで取引が出来るのか」という事です。
弧のレバレッジによって資金効率が大きく変わってきますので、しっかりと理解しておくことが重要です。
「FX」のレバレッジ
FXでは、国内のFX会社を利用するにあたり、最大で証拠金の25倍までレバレッジを掛けることが可能になります。
これはつまり、元手が10万円であれば250万円分の取引を行う事が可能になるという事です。
これがどういうことかと言うと、損益共に25倍の恩恵を受けるという事です。
「少ない投資額で大きな取引が出来る。」
「FX最大の魅力」であり、FXをおススメする理由の大きな要因になります。
「株」のレバレッジ
株の場合には「現物株」であれば1倍、信用取引であれば最大で約3.3倍までレバレッジを掛けることが可能になります。
レバレッジが低いため、FXと比べてしまうと資金効率が断然落ちてしまいます。
とはいえ、堅実に取引をするには良いというのも事実ですね。
取引に必要な最低金額が違う
「FX」の最低資金目安
FXは前述した「レバレッジ」も大きくかけられるため、少額の証拠金を使って大きな取引ができます。
数千円の資金があれば取引が可能です。
レバレッジを上手く使いながら資金効率を最大限に一気に資産構築することが出来るのも強みですね。
「株」の最低資金目安
株はレバレッジを大きくかけることが出来ない上に100株や1000株を1単元とした単元株と呼ばれるシステムがある為、必要資金が自ずと大きくなります。
(100株や1000株で1口という感じです。)
それ故に数万円からの参加となります。
また、大企業になれば数十万円必要な会社さんもありますので、資金効率が悪くある程度大きな資金が必要な点はデメリットと言えるでしょう。
主な価格の変動要因が違う
金融商品と言うものは、必ず値段が変動するわけですが、
「変動する」という事にも必ず「理由」が存在します。
FXと株では、この「変動要因」にも違いがあります。
「FX」の変動要因
FXの価格が変動する主な理由は下記のとおりです。
値動きの主な変動理由
- 取引する通貨の国の金融政策
- 経済状況(ファンダメンタルズ)
各国が発表する政策金利やGDP、要人発言などでも大きく相場が変動します。
多くのFX会社では、ほぼリアル対腕配信する機能があるので、しっかりと使いこなしてマーケットの情報をいち早く活用していきましょう。
「株」の変動要因
株の価格が変動する主な理由は下記のとおりです。
値動きの主な変動理由
- 企業の業績
- 新規事業開始のお知らせ
- 業務提携や合併などのIR
各企業が出す様々な発表を受けて、「その企業の価値がどう変化していくか」という事を織り込むことにより価格の変動が起きます。
また、グローバル展開しているよう企業の場合には、海外の経済や為替動向に左右されたりと収拾するべき情報が多くなるという点もあります。
まとめ
「FX」と「株」の違い
- 投資対象が違う
「FX」は「通貨」が対象
「株」は「企業の株式」が対象 - 値動きが違う
「FX」の値動きは「年間30%程度」
「株」の値動きは「年間最大100%程度」 - 取引可能な時間が違う
「FX」の取引時間は「24時間」
「株」の取引時間は「9:00-15:00と制限あり」 - インカムゲインが違う
「FX」のインカムゲインは「スワップポイント」
「株」のインカムゲインは「配当金」 - レバレッジが違う
「FX」のレバレッジは「国内業者は最大25倍」
「株」のレバレッジは「現物1倍、信用取引3.3倍」 - 取引に必要な最低金額が違う
「FX」の最低資金目安は「数千円から」
「株」の最低資金目安「数万円から」 - 主な価格の変動要因が違う
「FX」の変動要因は「各国の金融政策や経済状況」
「株」の変動要因は「その企業の業績やIR等」
全体をまとめると上記になります。
FXと株のどちらが良いとか、どちらが悪いとか、そういうことはありませんが、
少額から大きな利益を生み出せる可能性のある「圧倒的な資金効率の良さ」と、「時間に囚われずに取引が出来る」という点がFXにおける最大の利点ではないかと思います。
本日は以上になります。